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ルジュルナル de しげる
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ある日の上田茂とその意見
 
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椿説弓張月

2012/05/22 22:42
曲亭馬琴の原作を三島由紀夫が歌舞伎化したもの。三島の歌舞伎作品は結局六本にとどまり、本作がその最後。書ける人が他にはいないんだから、もっと残してほしかった。
全体に面白く観ることができたが、強いて個人的に難点をあげれば、上の巻・中の巻で、歌舞伎独自の趣向を次から次へと繰り出し過ぎの気味があることと、下の巻が、前もって筋書きを読んでいないと、正直、把握の難しいこと(ことに、阿公のモドリ)。
新橋演舞場・夜の部、25日まで。
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緊縮策の不人気(TIME5月21日号より)

2012/05/21 23:00
フランスとギリシャの選挙は、緊縮策に反対の候補が多くの票を得るという結果を示した。記事は、四方八方丸く収めるため、それが痛みをともなうからだけでなく、うまく作用しないから、という投票者の意思だとしているが、私は、単に痛いのがいやだから、という人々が多かったものと推測している。成長優先、などという裏付けの無い夢を政治家は無責任にまき散らしてはならないし、有権者も真に夢を見るという事と現実逃避とを峻別するべきだ。
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かきつばた

2012/05/18 22:53
根津美術館の「KORIN展」(20日まで)では、共にかきつばたを見事に描く、同館所蔵の国宝「燕子花図屏風」とニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵「八橋図屏風」とを、約百年ぶりに同時展観。後者に橋が加えられたのが成功だったのかどうかは、私には疑問。同館庭園(かなり広い)で、ちょうどカキツバタの咲いているのを楽しむことができ、天気も良くて、私は心底愉しんだ。
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負傷者16人

2012/05/17 13:28
個人の負った中東問題を扱い、舞台は引き締まったものとなってはいるのだが、心揺さぶられない。身近にユダヤ人もイスラム移民もありふれていない、という事実にもよるのだろうし、今日の問題については報道等で知るのを好む私の気質にもよるのだろう。むしろ、パンフレットに寄せられていた内藤正典氏の文の方が、芝居より勉強になった。特に次の2点。
1.ヨーロッパでいう「寛容」とは、「あなたはあなた、私は私。どうせ違うのだから、まあ我慢して互いに干渉せず平等な権利をもとう」ということであり、ムスリムにとっての「寛容」とは、「心のぬくもりを感じさせるように相手を優しく見守る」こと。ここでの齟齬が見逃がされてきた。
2.ムスリムが暴力の源泉だと信じ込まれてしまいがちだが、暴力によって支配し人間の尊厳・自由を奪ってきたのは近代ヨーロッパ側であることに、疑問の余地は無い。
かような理解の裏打ちも無きまま上演してしまっているように見える事に、私の不満の源があるのかも知れない。
20日まで、新国立劇場小劇場。
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次の段階へ(TIME5月14日号より)

2012/05/15 09:12
パキスタンの町アボタバードのウサマ・ビン・ラーディン邸急襲から1年後、このアルカーイダ指導者宅の敷地はブルドーザーでならされ、そこで地元の若者たちがクリケットをしている。
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春風亭一之輔

2012/05/14 23:53
国立演芸場5月中席は、春風亭一之輔真打昇進披露公演(20日まで)。今日14日の日替わり出演には、小三治(=老け込んだ印象)と市馬が豪華に顔を揃えた。
さて、当の一之輔。「子別れ」を聞かせ、器用にまとまるのでない本格派の逸材であることを示し、立派。非常に細かくなってしまうが、左口角を上げる表情の繰り返しは、私には嫌らしく感じられた。
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スーダンがまた戦争状態へと渦を巻いて落ちて行く(TIME5月7日号より)

2012/05/12 23:52
1956年、イギリスから独立して以来、スーダンでは内戦により200万の命が失われた。昨年スーダン(アラブ・イスラム系)と南スーダン(アフリカ・非イスラム系)とに分かれて以来、両国は国境付近へ何万もの軍を派遣して紛争を繰り返しており、さらに、それぞれの内部に反政府軍・部族を抱える。キリスト教徒とイスラム教徒とが自由に混ざり合い、宗教は個人の選択の問題だとされている部族も中にはあるのだが。
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ヨオロッパの巨人―アンゲラ・メルケル(TIME4月30日号より)

2012/05/04 10:40
アンゲラ・メルケル(57)は、公式にはドイツ首相だが、現実にはヨーロッパの大部分に影響力をもっている。第2次世界大戦以来の経済危機に欧州が陥る中、メルケルの力は、近代ヨーロッパ政治に類を見ぬほど大きなものにまでなっている。ユーロ圏17ヶ国において、メルケルがうん、と言わねば物事が進まぬほどの支配的な役割を、欧州経済最強のドイツが果たしている。
楽観論者は、彼女は恐れを知らぬ将軍で、ゆっくりとではあってもヨーロッパを債務危機から抜け出させ民主的統合という高みにまで導いてくれると考える。悲観論者は、広範囲にわたる素早い通貨統合改革の試みに彼女がいつも消極的であるせいで、ユーロの未来、ひいては世界経済の安定性が危険にさらされると考える。いずれにせよ、メルケルは、今後数十年のヨーロッパ人たちの生活に、その跡を残すであろう。
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コロンビア上昇(TIME4月23日号より)

2012/05/03 10:58
1819年、ラテンアメリカ初の民主政国家となり、今日4700万の人口を有するコロンビアは、経済規模でも南米3位で、2位のアルゼンチンに迫りつつある。1964年以来続き、7万を超える死者を出した共産ゲリラとの闘いは終わったとは言えぬが、高い支持率を誇り外交や麻薬対策でも手腕を発揮するサントス大統領により、下火の方向へともっていかれつつある。
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わが母の記

2012/04/30 23:13
高く評価されているようで、確かに樹木希林の演技は余人に可能なものではなかろうが、映画全体としてはゴテゴテしていてまとまりが悪く、私にはちっとも面白くなかった。
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座敷わらし/エンロン/ル・アーヴル

2012/04/28 23:40
朝日新聞夕刊の連載小説を映画化した「HOME 愛しの座敷わらし」。ひとときを楽しめるようには、うまくまとめられている。初日だったせいか、出口で「ぴあ」の人から「点数は?」と尋ねられた。「点数なんかつけたくない」と答えたのは、ひねくれ者の意地悪でもあるが、映画をそんな風に扱ってほしくないとの本心でもある。

天王州銀河劇場での「エンロン」。アメリカの「エンロン事件」を舞台化した、ということ自体に拍手。もちろん、これを観たからといって経済についての理解が深まるわけでもありませんけどね。市村正親に、滑舌の甘くなったところのあったのが惜しい。おみやげに東京ラスク(ミルクチョコレート)もろた。明日29日まで。

アキ・カウリスマキ監督の映画「ル・アーヴルの靴磨き」(原題:ル・アーヴル)。ちょうど20年前に数時間訪れたことのある町が舞台で、その頃深刻化していなかった移民問題を扱う。不法移民のアフリカ少年をあっさりつかまえそこなってしまうのがあまりに非現実的で、おとぎ話だとしても私には受け入れづらい。点数つけるなら20点、といったところか。
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新しき土

2012/04/26 23:04
昭和12年、原節子16歳の時の日独合作映画(ドイツ語名:サムライの娘)。日本への物珍しさから撮られたような映画で、浅薄な理解や、場所のむちゃくちゃな組み合わせが目立ち、観ていて楽しめるものでない。原節子は日本髪が似合わなくて、着物での歩きもできておらず、起用は気の毒だ。
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別離

2012/04/24 23:50
イラン映画。見応えがあった。四方八方に目配りを行き届かせた脚本で、だからこそイライラもさせられ、また、イラン・ペルシャは、人間関係のあり方を洗練させるという事に、伝統的に意を払ってこなかった社会であるようにも見え、でもそれは異文化からの視点に過ぎず彼・彼女らには当たり前のやり方が行なわれているのであろう、とも考えさせられる。

帰り、元祖くじら屋でクジラ食った。
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怒れ! 憤れ!

2012/04/23 11:29
フランス人たちは、デモやストでしじゅう怒りを表明しているような印象を私などはもっているのだが、93歳の元レジスタンス闘士ステファン・エセルの目には、全く物足りないと映る。もっと憤れ!と訴えるこの小冊子は、フランスで大ベストセラーになったそうで、これを取り上げた読書サロンに参加してきた。
懐古趣味や理解不足による単純化が多いように私には思われる。怒りが改革の起点となることはあり得ようが、あくまで重要なのは、その後の冷静かつ論理的な思考であるはずだ。著者は非暴力を訴えながら、フランスの核兵器保有については全く言及しておらず、これに関しては、核武装がレジスタンス運動の頭だったドゴールによる方針である以上、何も言えぬのであろう、とフランス人が説明。
出版元や本屋さんには悪いけど、日本語版は、立ち読みで十分。すぐに読み終えられます。
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おとし穴

2012/04/22 08:54
1962年、勅使河原宏・監督、安部公房・脚本の映画。さすがだ。幽霊を出して、かと言って趣向倒れにならず、過不足の無いがっちりした構成が快く楽しめる不条理感を与えてくれる。若い田中邦衛が普通のしゃべり方をしていた。京橋・フィルムセンターで。

その後、三井記念美術館の「北斎展」を訪れたが、ここでも印象に残ったのは、構成のセンスの良さと堅実さであった。「神奈川沖浪裏」に描かれた舟が、魚を運ぶものだと初めて知った。
6月17日まで。(http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html
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写真論

2012/04/21 09:24
東京都写真美術館で開催中の三展「幻のモダニスト 写真家堀野正雄の世界」(何につけ、試したくなることは相当早い時期に試し了えられているものだと思わされる。5月6日まで)、「フェリーチェ・ベアトの東洋」(江戸の町、甍の波は黒々としていたんだと再認識させられる。5月6日まで)、「生誕100年記念写真展 ロベール・ドアノー」(左下隅にエディット・ピアフがライトを浴びているのみ、の構図が面白かった。5月13日まで)を巡ってから館内の売店をのぞいてみたら、スーザン・ソンタグの「写真論」なる本が目にとまり、求めて読み始めてみるとすぐに、「写真を撮るということは、写真に撮られるものを自分のものにするということである」とあって、まあ、これ自体は大した言でもないけど、観光地なんかで撮った写真を、後からゆっくりながめて楽しんだりせずほったらかしにしてしまっているのは、私の無精によるところも大なんであろうが、写真を撮るという行為自体で満足感をおぼえてしまっておるんだろうな、と今更ながら納得したり反省したり。
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凍結資産(TIME4月16日号より)

2012/04/16 20:57
アメリカは世界一の冷凍精子輸出国である。60ヶ国以上に輸出し、アメリカの業者全体で年間1億ドルの売り上げがあると見積もられている。品質管理が行き届いていること、品揃えが豊富であること、そして、精子提供者の身元秘匿の許されていることが、この国の好況の要因である。ただし、これで生まれた子供が、(両親の死などにより)精子提供者に扶養を求めた場合、子の利益を最優先するアメリカの法廷は、その要求を認めるかも知れない、といった問題や、偶然同じ精子提供者の子同士であることを知らぬ間の近親相姦、といった問題を引き起こし得る。
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セザンヌ―パリとプロヴァンス

2012/04/15 00:03
セザンヌは、故郷エクス・アン・プロヴァンスにずっと閉じこもっていたわけでなく、パリとの間をしばしば行き来していた。その事が彼の絵画へ及ぼした影響を見て取ろう、というのが展覧会の趣旨らしいが、私のようなシロートには、よく見て取れない。その行き来の経験をもっていなければ絶対描けなかったはずの絵、などというものが展示されているわけではない。大したことない、と感じられる絵も掲げられている。趣旨自体が専門的過ぎるのかも知れない、あるいは、展覧会を構成しようとしてひねり出された無理のあるものだったのかも知れない、とのシロート考えを抱かされた。
国立新美術館、6月11日まで。
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ヒッグズを探し求めて(TIME4月9日号より)

2012/04/14 00:34
宇宙創成のビッグ・バン直後、粒子は質量をもっていなかった。いかにして質量をもつものに変わったのかを説明するため、1964年、スコットランドの物理学者ピーター・ヒッグズらは、宇宙はエネルギー場に満たされており、ここを動くのに受ける抵抗の大小が質量の大小となる(=あくまで、記事によるシロート向けの解説です)、という機構を提唱した。この場が本当に存在するなら、それが物質へと濃縮されたような(=これもシロート向け)、ヒッグズボソンと呼ばれる粒子が存在しなければならない。ジュネーヴ郊外の施設LHCでこれが探し求められている。巨大な円形の加速器で光速の99.9999991%にまで加速された陽子同士を正面衝突させ、一瞬生じたヒッグズ粒子の崩壊した物を見つけようとしているのである。
もしかしたら、今年中に見つけられるかも知れない。
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民族の祭典

2012/04/13 22:50
1936年ベルリンオリンピックの記録映画を京橋・フィルムセンターで観た。ナチスのプロパガンダ映画と喧伝されてきたものだが、今の目からすれば、内容の取り上げ方にあからさまな不公平はさほど感じられない。ドイツが負ける場面もあるし、まだ同盟を結んでいるわけでもない、また、ヒトラーが腹の底では軽蔑していたであろう日本の活躍も好意的に扱われている。アメリカ、イギリス、フランス、ポーランドといった国々と仲良く競技していたんだ、と教えてくれる映像は、後の悲劇的歴史を思えば、胸を詰まらせる。
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